学長挨拶
日頃より長崎大学の教育・研究へのご理解、ご支援を賜り誠にありがとうございます。
長崎大学は、江戸時代後期の1857年、オランダ人医師ポンぺ・ファン・メールデルフォールトと幕臣松本良順により実施された医学伝習に端を発し、1945年の原爆被爆という試練を経て、1949年に新制大学として設置されました。
また、同じく江戸時代後期、西洋からの最新の知見や技術を学ぶため、日本各地から多くの若者が大志を抱いて長崎に集まって来ました。当時、このことは憧れを込めて「西遊」と呼ばれており、この「西遊」を経験した若者たちが、近代日本の幕開けを担う原動力となったのです。
このような歴史と伝統を持つ地に拠点を置く長崎大学は、大学の理念・基本的目標を達成すべく、先進的な研究や学びを求める学生への継続した支援を目的に、2017年(平成29年)にこの言葉を冠とした「西遊基金」を創設しました。これまで多くの皆様に支援を賜りましたことを心から感謝申し上げます。
その後、2020年初頭に長崎大学は、人類と地球の抱える多様で相互に関連する諸課題の解決に向けて、学際的にその知を結集・想像し、国内外の諸機関と連携を図りつつ、プラネタリーヘルス(地球の健康)の実現に貢献する世界的“プラネタリーヘルス”教育研究拠点を目指すことを宣言し、その実現に向けて教職員・学生が一丸となって鋭意取り組んでいます。
皆様には何とぞ「西遊基金」の趣旨をご理解いただき、引き続きご支援とご協力を賜りますようお願い申し上げます。
長崎大学長 永安 武